日常であった事とか拍手のお返事を載せていくと思います
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短い東方ssです。
あと、関係ないけどアイスが手放せないこの季節。
抹茶系の苦いやつ以外は、全制覇を目指してみます。
でも、きっとお腹を壊すから目標だけです。
「うわあ?!」
好意は悲鳴で返された。
ぽかーんとして、だけど納得いかなくて頬を膨らませて、地面に尻餅つきながら文を見る。
文は慌ててあたいを起こしてくれた。
……。
暑い、と力なく呟いていたから、あたいは全力で抱きついただけなのに。
そうしたら文は、いらない、とばかりにあたいを突き飛ばした。
「……なんだよ」
予想外すぎるそれは、あたいの頭の中をまっしろにして、どうして? が一杯で、いつの間にかそればかりで、あたいは何かしちゃったのかなって、文の服を握る。
触って、また拒絶されるのは嫌だから、裾の方を注意して触った。
そうしたら、文が眉間に小さく皺をつくった。
少しだけ悲しそうにも見えて、どきりとした。
「……」
ぎらぎらした太陽のせいで、熱くなった自身の髪を気まずげにくしゃくしゃとかきまぜるようにして、あーとかうーとかうなって。
「ごめんなさい」って、あたいに頭を下げた。
「本当にすいませんでした。油断していました。情けなかったです。もうしないので許して下さい」
なんて、文は普段謝ったりしないから、何とか固い口調ながらもあたいの目を見て一杯謝った。
だから、どっかでほっとして、でも、もやもやってしたのも残って、まだ文の服から文の手を握れなかった。
「格好悪いです。とても小心者でした。……熱いから、チルノさんに障ってもいい理由になるなーとか、チルノさんに公然とくっつける、とか、とっても情けないことばかり考えて、結局できないへたれでした。
……だから、白状します。急に触れられてパニくりました」
ほえ?
って、顔をあげたら、文のしょんぼりっていうか、困っているっていうか、とにかくどうやって許してもらおうって、頑張ってる顔があった。
「……えと、文は、あたいに抱きつきたかったの?」
「え、ええ。そうですとも」
「……いつもは、あたいからじゃないとぎゅってしてくれないのに?」
「が、我慢しているんですよ」
「……」
じーって文を見る。
なんだか、なんだか。
もやもやがきらきらに変わっていく。
気づいたら、文の腕を掴んでいて。
その腕は熱くて、汗をかいていて。だからぎゅって抱きついた。
「……えへへ、文のいじっぱり」
「……め、面目ないです」
うーわー。
って、文が恥ずかしがってるみたいな声がして、うふふーって笑ってしまう。
文は、なんか変だ。
冬は、たくさん自分からぎゅーってするのに。
夏は、いっつもあたいからぎゅーってする。
普通は逆だと思うのに。
あたいはでも、そっちのほうが嬉しいなって思ったから、文に全身で抱きついて、ぐりぐりってした。
文は、小さく。
「……お子様にはわからない、大人のちょっとした譲れないプライドっていうのが、あるんですよ。もう。……熱いから、触るなんて、なんか不純な理由が、嫌なんですよ」
って。
あたいに聞こえていないと思いながら、あたいに抱きつかれたままで、ちょっと拗ねてた。
あーもー、あたいの文は可愛いんだから! って。
大人の余裕であふれる、さいきょーなあたいは、この季節のときは、かっこいいより可愛い文に、いーっぱいさいきょーにならなくちゃって。
いつの間にか、文の羽で日陰を作ってもらいながら、そう思った。
文の身体は、あたいが抱きついているのに、むしろぐんぐんって体温が上がっている感じが。
とにかく、さいきょーで。
あたいは、うふふーって、笑った。
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