日常であった事とか拍手のお返事を載せていくと思います
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いつもどおり思いつきで短いss。
東方であやれいむ。
というか、最近、また東方熱が凄くなりそうで必死に鎮火中。
最近、文関連とさとり様関連と船長関連の妄想がとまりません。
特に意味もないけどあいつを無視する事にした。
流れる風に微かに混じった妖気。
それを感じた瞬間、そう決めた。
「霊夢さーん、取材に来ましたよー!」
バサリと羽音。そして元気に叫ぶうっさい烏天狗を、最初の予定通りに早速無視。
僅かに流れた、顔にあたる風は、涼しくて草木の甘い香りを含んでいた。
「あれ? 霊夢さん、いないんですか?」
気の抜けた声。
そのまま、勝手にあがりこんだのかパタパタと歩く音。
「霊夢さーん?」
ひょいっと顔を出す天狗。
そいつは私の姿を見つけると「あ、やっぱりいたんじゃないですかー」なんて笑顔になって、何が嬉しいのか楽しそうに私の隣にやってくる。
「酷いですね。返事ぐらいして下さいよ」
無視。
だって、今日はそういう気分だから。
「? 霊夢さん」
つーんとしてお茶を飲んでやると、隣に座るあいつが、露骨に「あややややや?」なんて困っていた。
こちらを伺うようにして、やりにくそうに指をもじもじさせ始める。
「……あのー。霊夢さん? いつも通りに、取材をしたいなー、なんて」
ずずっ、と返事の代わりにお茶を飲む。
あやぅ? と変な声が聞こえた。
「……えっと、無視ですか?」
聞こえていませんとばかりに、のんびりと空を見上げたりなんかする。
そうしたらますます、文は困りきった顔になって、苦笑というか微妙な顔になる。
「もしかして、ここ一週間ずっと来れなかった事を怒っています?」
……無視である。
「いえね、確かに新聞記者としての仕事と、ちょっと別件の仕事が重なって忙しかったとはいえ、何も言わずに七日も音信不通は、私もやばいかなーなんて思ったのです」
文は、私が無視しているのに、なにやら頑張って言い訳をしていく。
そんな、滑稽な姿をあえて眼に映さずに、だけど、別に、本当に、ちっとも、ささやかにも、ぜんぜん、気にもしていなかったけれど、ついつい奥歯を噛んでしまった。
「……霊夢さん」
殊勝な感じに、文はすっと私の身体を逃がさないように押さえて、逸らす顔を追いかける様にしたままに、いつもならおちゃらけるとか、ふざけるとか、からかうとかしそうなのに、どこか優しさを感じさせる声で、そっと耳元でささやく。
ごめんね。
―――小さく細く、暖かい、それでいて、反則なぐらい透き通る声。
「っ」
耳から脳に、脳から全身へと熱が一気に広がる。
口から情けない声がでそうになり、急いで喉を絞り、拳をぎゅっと握る。
今、絶対に、私の顔は赤い。
「も、ほんとーにすいませんでしたー。もうしないなんて言えないけど、許して下さいー!」
ぷすぷすと音がしそうなぐらい、頭が熱いのに、さっきの声はどこいったのかってぐらいに、間延びした文の声がもう、めちゃくちゃイラッとして思わず殴ってしまう。
「あいた?!」
ついでにキック。そんで踏みつけてぐりぐりして、馬乗りになってごすごすと殴った。
「ちょっ!? 洒落にならねぇ! 痛い、痛いですって!」
「……っ!」
こっちの拳が痛くてひりひりしてきた頃に、文が頬を押さえながら、私の手を止める。
自分よりも私の手を見て「あーあ、赤くなってますってば」なんて呟いて、いててと顔をしかめる。
「……何といいますか、無視が終わったら暴力とか、凄いDVです。私ってば薄幸です。可哀相です」
「死ね」
「……そして、本日最初の台詞がそれとか、泣きたくなりますよ」
とほほって顔をして、さてさてどうやってからかってやろうかな、って顔になる文。
意地悪な顔で、私の顔を見る。
もう、私が無視も出来ず、顔の赤みもとれず、目じりの涙すらぬぐえないのを分かった上で、彼女は私をじっくりと見つめて唇を歪める。
「もう、霊夢さんったら♪」
声は明るく。
表情だって眩しく。
でも、うっすら見える心は、ほんのり暗く。
彼女は目をゆっくりと細める。
「会えなくて寂しかったのが、自分だけだと思ってんじゃねーですよ、ってね」
久しぶりに見た、猛禽類を連想する、赤い瞳。
私は、なんかもう、これを見せられた時点で敗北で、やっぱりむかついた。
もう一度死ね、って毒づくと。
文は、お断りでーす、なんてふざけた調子で、ようやく私を抱きしめた。
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